この記事の要点
・夏休みの宿題を終わらせることと学力向上は必ずしも一致しません。
・限られた時間では、提出課題と復習の優先順位を考える必要があります。
・夏休みの大逆転英語学習は「英単語→文法→英作文→リスニング」の順が最も効率的です。
この記事で分かること
✅ 夏休みの宿題が終わらない原因
✅ 学校課題との付き合い方
✅ 本当に成績が伸びる時間の生み出し方と勉強法
✅ 英語4分野(単語・文法・英作文・リスニング)の学習優先順位
本文
今日は現実のお話しかしません。ショッキングな内容かもしれませんが、家庭教師や塾講師という「学校と生徒」という世界を客観的に見れる立場でお話します。
まず、そもそも「夏休みの宿題が多すぎて…」というのはすべての生徒さんや親御さんが思ってらっしゃることと思います。ゆとり教育で削られた内容の一部が、その後の学習指導要領の改訂で小学校や中学校に前倒し・復活しているからです。
- ゆとり教育期:中学3年間で覚えるべき単語は900語程度
- その後の改訂:1200語程度
- 2021年度以降の新学習指導要領:1600〜1800語程度
つまり、英単語という狭い分野だけとってみても、量的な負担は10年前の倍になっているという現実をまず認識する必要があります。その現実を踏まえずに夏休みという貴重な時間に、非常に重い宿題を子どもたちに課しているのではないでしょうか。
しかし、それほど重い宿題であっても、中学から高校に上がる場合に内申点を完全に無視するわけにもいかないために、子どもたちは先生が出した宿題だからと健気に取り組むわけです。しかし、学校進度についていけていない生徒や復習に手助けが必要な生徒が取り組んで意味のある宿題になっているでしょうか?私はそうは思いません。
現実には、進度が遅れている生徒は、1ページを進めるのに大変な労力と時間をかけてしまいがちです。まじめな性格であればあるほど、「答えを見てはダメだから」という縛りを自分につけたることも多く、「うーん…うーん…」とうなりながら、時間だけが過ぎていき学ぶところが少ないという例は枚挙にいとまがありません。
私は、そういう生徒ほど「まず答えは丸写しすべき」と伝えています。第一の理由として、丸写ししてでも「夏休み明けに提出できる形だけでも整える」ということが内申点上、非常に大事になるからです。
第二の理由として、丸写しで生み出した貴重な時間を、「本当に苦手で2学期までに克服すべき分野」や特に中学3年生については「高校入試合格に必要な対策」に充てることができます。
中学までの学習のほとんどは高校につながる基礎学力として重要です。「苦手分野をきちんと復習して知識をアップデートした後でもう一度夏休みの課題の当該分野に挑戦してみる」という努力が必要です。そうでなければ、何のために丸写しして「時間を作り出したのか本末転倒」になるからです。
付け加えると、「何も考えずにただひたすらに答えを丸写し」するよりも、「あー、この分野ぜんぜん分かってなかった」とか「ここは少し覚えてたけど自信ないかも」という感想をページの片隅にサラサラっとメモしながら丸写ししておけばその後の復習に大きな力を発揮することは言うまでもありません。
私が「丸写しすべき!」と言っているからと言って、「思考停止に陥れ」と言っているわけではないことに注意する必要があります。考えに考えた結果、已むに已まれず苦肉の策で丸写しをしているという現実がまずあって、丸写しが終わったからといって学力が向上するわけではありません。丸写しという行為自体は「本当の学習時間を生み出すための行為」にすぎないことはあらためて強調しておきます。
では、作り出した時間で何をすべきか、英語に限ってお伝えしますと、次の内容です。
- 英検5級から3級レベルの英単語の暗記 ⇒できれば長文を読みながら文中の中でどのように単語が使われているかを意識しながら、知識が曖昧な単語をチェックし、覚えていない単語だけをピックアップして単語ドリルを作成し、覚えるまで繰り返します
- 文法と和訳 ⇒文法は特に品詞です。副詞と形容詞の違いといった基本から、進行形、完了形、受動態といった必修内容の復習まで、文法の総確認が必要です。その文法と同時並行で「曖昧なままにしていた『和訳』を総ざらいする必要があります。助動詞・進行形・完了形・受動態・不定詞の観点から訳せるようになる。少なくとも「何を言っているのか分かる」レベルまで引き上げる必要があります。
- 英作文 ⇒1と2を踏まえてようやく英作文の土台ができたと言えます。ここまでくれば、後はもう慣れとの闘いになるので、「書く」だけにとどまらず、「話す」も交えながら脳内での英作文スピードを速める必要があります。最終的に、たとえばI will study English after school tomorrow to pass the exam.というように助動詞、不定詞、前置詞句、副詞といった文法的概念を使いこなしながら英文を作りこんでいきます。
- リスニング ⇒英作文を通じて英文の作り方を脳内に叩き込んで、小学英語の発音・フォニックスの記憶を呼び覚ましながら音読を重ねます。もちろん高校入試過去問リスニングでも良いですし、高校入試目的ならば英検3級、もっとレベル上ならば英検準2級、準2級プラスの過去問音声を利用することもできます。リスニング分野も慣れが重要ですし、「聞くだけ勉強法を絶対に避けて」、必ず「聞く+話す」勉強法に徹することが結局最も近道・時短につながります。
英語に限らず、このように各教科には「夏休みに何とか遅れを取り戻す」大前提には「時間を作り出す」必要があります。「現在」を見るのではなく、『現実』を見ることが第一歩です。最善の打開策を考え・実行し・目標を達成することは、時間がなくてはできないからです。
まとめ
・宿題は「丸写し」してでも必ず提出する
・「丸写し」してでも復習時間を作り出す
・作り出した時間ですべき英語学習は「英単語→文法→英作文→リスニング」の順