本日のブログは、「英語講師の意外な一幕」とも言うべき、英語以外の科目について教え子から質問や指導のお願いがあった場合にどのように向き合っているかについて少しお話します。
私の専門はもちろん英語なのですが、レッスン受講生はもちろん、これまでの塾講師時代・家庭教師時代の教え子が英語以外の科目についての悩みを私に打ち明けることは多々ありました。
その中で最も相談が多いのが、「数学」です。私は文系数学IAIIBについては教科書及び傍用問題集(たとえば4STEPや3TRIAL)の徹底理解が基本だという方針であり、必要に応じて保護者との相談を経た上で期間限定的に数学を指導することもあります。
それは私にとって不本意なレッスン…というわけではありません。英語を通じて「論理を追う」「結論ファースト」といった英語の本質的な部分は数学にも通用することがあり、それを教え子に実感してもらう良い機会だと考えています。
例えば、次のような数Iで出てきそうな二次方程式があったとしましょう。

これを解くことは仮に文系学生であっても「容易い」と感じるかもしれません。
しかし、私は「この数式が意味するところは何なのか?」と教え子には5秒考えてもらっています。大半の生徒が答えられずに5秒を使い切ってしまいますが…。
左辺を因数分解し、x=1, 3と解を出したとして、それがどのような意味を持つのか数Iという高校基礎数学の段階で「数式の持つ意味」を考えることは数II、数Bになっても大切だと思います。
数I分野において、左辺の

が表しているのは、XY平面における高さであり、それが0だ、というのが先ほど上で示した二次方程式です。

という二次方程式(あるいはこの二次方程式から描くことができる二次関数グラフ)を想像すればさらに理解しやすいですが、その二次方程式において y=0 という高さが定まっている場合、xの解はどうなるか、ということを求める問題だと言えます。
もっと分かりやすく言えば、『この二次関数が「x軸」と交わるのはどの点か』が問いたい問題であるわけです。y=0という数式は、日本語で言えば「x軸」と分かりやすく表現できるのですから。
この数Iの至極単純な計算問題にある数式を、日本語を通して「読解」「翻訳」することができれば、無味乾燥な数字や文字が初めて意味を持ち始めます。
中学数学から質・量ともに大幅にレベルアップする高校数学を、文系だから諦めたりすることなく、英語で培ったロジックを読み解く力・結論を把握する力を活かすことで乗り切って欲しいと思いながら教え子には指導しています。
私ごとになりますが、私自身も法律資格の学習には、英検1級受験勉強の折に活用した考え方やフレームワークを再利用しました。法律用語も数式のように、そのままでは初学者にとって理解に苦しむものばかりでしたから。しかし、より平易な文言に置き換える(英語で言えばパラフレーズに近い概念)ことで理解を進めることもできます。
また、1問あたりに大量の文章が書かれることも多い法律資格の問題ですが、その情報処理において「SVをまず把握して問題論点として何が言いたいのかを把握する」という英文での基本方針ともいうべき「結論ファースト」での論点把握は何度となく助けられています。
そのような実感と経験を伴ったうえで、教え子たちに(たまに)数学を教えるというのは非常に貴重な機会として前向きにとらえていますし、教え子たちに「英語の先生なのに、数学を教えるのも上手い」と言われたら望外の喜びですし、教え子が定期試験や模試で「数学の成績が上がった!」と喜ぶ姿が何よりもうれしいですね。