中1ギャップを克服するには

以前「英語に悩んでいるのは子どもだけではない」というタイトルのブログを書きました。そこでは次のような山口県教育委員会の公表資料に記載されている内容から小・中学校の英語学習の現状を少しだけ明らかにしました。振り返ります。

・中学校に上がると年間授業時間は140時間とほぼ倍増

・中学校3年間では新たに1,600~1,800語程度を追加で覚えることに

前回のブログでも少し触れましたが、英語の負担が中1から急激に重くなるという問題は英語だけにとどまらず、もう1つの主要科目である数学に影響を及ぼします。

この中1ギャップを克服したとしても、さらにギャップが顕著なのが「大都市と地方」のギャップです。

令和7年度英語教育実施状況調査では「CEFR A1レベル相当以上を取得している生徒数」、つまり英検3級を中学校の段階で取得した生徒の割合を発表していますが、この数字は結構深刻です。

東京都56.7%、大阪市57.8%、さいたま市81.0%、横浜市68.7%に対し、山口県25.8%となっています。人口が集中している都道府県または地域は地方に比べて突出して英検3級を取得している中学生の割合が多いことが示唆されます(下図参照、「令和7年度「英語教育実施状況調査」概要」より)。

しかし、有名な話ですが、福井県は地方の中でも英語教育に大変熱心な件で、その数字は実に83.5%です。東京都や大阪市、さいたま市を凌駕する英検3級程度の英語力を持つ中学生の数は全国一です。つまり、「大都市と地方」ギャップは厳然と存在するものの、努力でそのギャップを埋めることは「中学校の段階」では不可能ではないとは言えます。

ただ、同資料では学校教師の英語力についても調査されており、中学生の教師でCEFR B2レベル(英検準1級)相当以上を取得している教師の割合は山口県において56.1%となっており、東京都の83.4%にはまだまだ遠く及んでおりません(下図参照、「令和7年度「英語教育実施状況調査」概要」より)。

つまり、現状においては山口県の小学5・6年生については、英検®Jr.はもとより早期に英検5級以上の取得を目指すだけでなく、高校英語基礎確立を見据えて「文法や論理」といった部分を強化する必要があると言えます。

私はさまざまな親御様からお話やお悩みを伺いますが、この現状については構造的なものであり、なかなかお子様の努力や親御様のサポートだけでは打破することが難しい状況が今後少なくとも10年は続くのではないかと思われます。

小学校卒業時点で都道府県ごと、学校ごと、英語担当教諭ごと、ご家庭ごとに格差が既に発生し、中学校、高校と学年が上がるたびにその格差の解消が難しい状況になると思われます。

私も英検®1級講師としてこの現状を大変危惧しております。教材や指導の質向上にますます力を注いで少しでもお力になれればと思います。